認知症(アルツハイマー型・脳血管性・レビー小体型・Pick病)【神経内科学】
「認知症(アルツハイマー型・脳血管性・レビー小体型・Pick病)」についてまとめます。
アルツハイマー型認知症
認知機能低下、人格の変化を主な症状とする認知症。
・全体の40%
・やや女性に多い傾向
《病理》
・脳組織の萎縮 (とくに海馬)
・アミロイド沈着
・大脳皮質の老人斑
・側脳室の拡大
・脳溝の拡大
・シルビウス裂の拡大
《症状》
・徐々に進行する認知障害(記憶障害・見当識障害・学習障害・注意障害・空間認知機能障害・失行など)
・取り繕い(記憶障害があるのをごまかし、話を合わせて、覚えているかのように振る舞う)
・進行すると意思疎通ができなくなり、寝たきりになる
・被害妄想(物取られ妄想 ※記銘力低下と関連)
・幻覚(とくに幻視)
・問題行動(暴言・暴力・徘徊・不潔行為など)
※時間の見当識障害>人物の記憶低下
脳血管性認知症
脳梗塞の多発によるものが大部分を占める。
・全体の40%
《症状》
症状は階段状に進行
・頭痛
・めまい
・感情失禁
・せん妄
・片麻痺
・自発性低下
・小刻み歩行
・頻尿
・尿失禁
・構音障害
・嚥下障害
・痙攣発作
・記憶力の低下が著明(判断力・理解力は比較的保たれている)場合がある:まだら認知症
×思考制止
※短期記憶に比較して長期記憶が保たれやすい
※慢性硬膜下血腫・正常圧水頭症でみられる認知症は、脳外科手術によって認知機能が改善する可能性がある
レビー小体型認知症
大脳皮質神経細胞内にレビー小体という変化が出現
※汎発性Lewy小体は認知症の原因となる
・3番目に多い
《病理》
・アセチルコリンの低下→増加させる治療で改善が期待できる
《症状》
・初期にリアルな幻覚(とくに幻視)や妄想
・パーキンソン病様症状
・替え玉妄想
×肢節運動失行
前頭側頭型認知症(Pick病)
前頭葉、側頭葉に多い局所性の脳萎縮
・性差なし
《症状》
・人格変化、情緒障害が初期症状
・滞続言語(内容とは無関係に同じ話を繰り返す)
・考え無精(質問にたいしてよく考えずに返答したり、無視したりする)
その他
・筋強直性ジストロフィー
・進行性核上麻痺(パーキンソニズム)
・多発性脳梗塞
・慢性硬膜下血腫
・Creutzfeldt-Jakob病
・正常圧水頭症
・水溶性ビタミン欠乏症(葉酸・B1・B2・B6・B12など)
×重症筋無力症
×筋委縮性側索硬化症
×ギランバレー症候群
×Wallenberg症候群
×平山病
×甲状腺機能亢進症
×多系統萎縮症
※認知症は、介護が必要となった原因で最も多い
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