「脊髄損傷の評価」についてまとめます。
Frankel尺度
・神経学的症状による評価法
A 運動・知覚喪失:損傷部以下の運動・知覚機能が失われている
B 運動喪失・知覚残存:損傷部以下の運動機能は失われているが、仙髄支配域などに知覚が残存
C 運動残存(非実用的):損傷部以下にわずかな随意運動機能が残存しているが、実用的な運動は不能
D 運動残存(実用的) :損傷部以下にかなりの随意運動機能が残存しており、下肢を動かす、歩行などが可能
E 回復:運動・知覚麻痺・膀胱直腸障害などの神経学的症状を認めない。深部腱反射の亢進のみが残存している場合あり
ASIAの機能障害尺度
・Frankel尺度を改変したもの
・完全損傷と不完全損傷の段階について明確に
・感覚障害は3段階で規定(0:消失、1:鈍麻、2:正常) ※NT:not testable
・肛門括約筋収縮の有無が規定されている(S4-5領域の運動機能評価)
・評価は背臥位で行う
×関節可動域制限
×深部腱反射を用いる
×包括的な神経学的評価である
A 完全:S4~5髄節の運動・感覚機能の欠如
B 不完全:運動機能の欠如。感覚機能は神経学的レベルからS4~5髄節にかけて残存
C 不完全:運動機能は神経学的レベル以下で残存。標的筋群の大多数はMMT3未満
D 不完全:運動機能は神経学的レベル以下で残存。標的筋群の大多数はMMT3以上
E 正常:運動・感覚機能障害は完全に回復。反射の異常はあってもよい
《key muscles》
C5:肘屈筋 (上腕二頭筋)
C6:手背屈筋 (長・短橈側手根伸筋)
C7:肘伸筋 (上腕三頭筋)
C8:第3指DIP屈筋 (中指深指屈筋)
T1:小指外転筋
L2:股屈筋 (腸腰筋)
L3:膝伸筋 (大腿四頭筋)
L4:足背屈筋 (前脛骨筋)
L5:長母趾伸筋
S1:足底屈筋 (腓腹筋)
《Key Sensory Points》
C3:鎖骨上窩
C5:肘窩外側
C6:母指
T4:乳頭(第4肋間)
T6:剣状突起
T7:第7肋間部
T10:臍
T12:鼠経靭帯の中点
L3:膝蓋部・大腿骨内側上顆
S2:膝窩
S4:肛門周囲
Zancolli
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