【第54回理学療法士国家試験】PM第46問:人工呼吸器合併症【解説】
問:人工呼吸器管理中に生じる呼吸器合併症でみられやすいのはどれか。
1.胸水
2.肺炎
3.喘息
4.肺線維症
5.慢性閉塞性肺疾患
出典:厚生労働省HP 第54回理学療法士国家試験問題
【午後問題PDF】
解説
人工呼吸管理中に起こる合併症は、大きく分けて下記3つ
①陽圧換気や高濃度酸素の投与によるもの
(肺障害、酸素中毒、その他臓器などへの影響)
②換気のための気道確保の方法である人工気道によるもの
(人工呼吸関連肺炎、粘膜損傷、気道クリアランスの低下)
③体動制限や臥床によるもの
(荷重肺障害)
各選択肢をみていきます↓
1.胸水
胸水とは、胸腔に液体が異常にたまることです。
原因:感染症、外傷、腫瘍、心不全、肝不全、肺の血管に詰まった血栓(肺塞栓症)、薬物など
2.肺炎
人工呼吸管理中に起こる合併症として、肺炎があります。
3.喘息
喘息(気管支喘息)とは、気道の炎症です。
気道が狭くなり空気が通りにくくなります。
炎症がおこっている気道は、敏感でホコリやタバコ、ストレスなどのわずかな刺激でも狭くなり、発作がおきてしまいます。
4.肺線維症
肺線維症とは、肺胞の周りの間質の壁が炎症により厚くなり、線維化している状態のことです。
原因:職業上の粉塵吸入やペット飼育などの住環境、薬剤や健康食品(薬剤性肺障害)、関節リウマチ他の膠原病などさまざまなものが考えられます。
5.慢性閉塞性肺疾患
慢性閉塞性肺疾患は、息をするときに空気の通り道となる気管支や肺に障害が起きている状態です。
原因:肺の生活習慣病で、喫煙と深い関わりがあります。
ということで答えは、2になります。
Point
各呼吸器疾患の原因を理解する