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心理検査【臨床心理学】

心理検査についてまとめます。

 

 

人格検査(性格検査)

性格特性・欲求・心理的葛藤の有無やその内容・態度・適性などの個人差を測定する検査。

 

《質問紙法》「はい・いいえ」で答える・意識的

矢田部・ギルフォード性格検査(YG性格検査)

12の下位尺度ごとに10問・計120問の質問から構成

 

ミネソタ多面人格目録(MMPI)

550問の質問項目からなり、臨床尺度・妥当尺度を含む

 

コーネル・メディカル・インデックス(CMI)

精神面と身体面の自覚症状を調査する

 

 

 

《投影法》漠然とした課題にどう反応するか・無意識的

文章完成法(SCT)

刺激文の後に未完成の文章が提示され、それを完成させる

 

 

ロールシャッハテスト

左右対称のあいまい図形を提示し反応を問う

 

 

絵画欲求不満テスト(P-Fスタディ

欲求不満が喚起される場面が絵で示される。

登場人物の吹き出しの中に記入する

 

 

主題統覚検査(TAT)

絵画の人物について空想させ、物語を自由に語らせる

 

 

家と樹木と人物描写検査(HTP)

「House」「Tree」「Person」を描かせる

 

バウムテスト

実のなる樹木を1本描かせ、それを評定する

 

 

 

精神作業検査

単純作業を実施して、作業量などから性格・行動面の特徴を判定

 

内田・クレペリン精神作業検査

数値の連続加算を繰り返させる

下記を評価

・作業曲線、作業量

・初頭努力

・休息効果

・曲線の動揺

×記憶の想起

 

知能検査

 

ビネー式知能検査(田中ビネー知能検査・鈴木ビネー知能検査)

一般知能を測定

2歳~成人向け

 

 

ウェクスラー式知能検査

動作性・言語性IQを測定

WAIS:成人用(16~64歳)

WISC:児童用(5~15歳)

WIPPSI:幼児用(3~7歳)

 

Kohs立方体組み合わせテスト

積木構成課題により視覚構成能力をみる

 

ベンダー・ゲシュタルトテスト

図形模写を行わせる。

脳の器質的障害の診断に用いられる。

 

長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)

認知症検査

見当識・単語の即時再生と遅延再生・計算・数字の逆唱・物品記銘・言語の流暢性

 

 

ミニメンタル・ステート検査(MMSE)

認知症検査

見当識・単語の即時再生と遅延再生・計算・図形模写

 

三宅式記銘力検査

対語の再生により記銘力をみる

 

ベントン視覚記銘力検査

図形刺激を用いた記銘力検査

 

ウィスコンシンカード分類課題(WCST)

前頭葉機能・保続

 

トレイルメイキングテスト(TMT)

注意障害の検査

数字(もしくは数字とひらがな)を線で結ぶ

 

リバーミード行動記憶検査(RBMT)

記憶検査

顔写真・持ち物・物語など日常に即した課題内容

9種類の検査で構成

即時再生・遅延再生

 

レーブン色彩マトリックス検査(RCPM)

知的能力

 

レイ聴覚性言語学習検査(RAVLT)

記憶検査・言語性

 

レイ複雑図形検査(ROCFT)

記憶検査・視覚性

 

 

発達検査

デンバー式発達スクリーニング検査

粗大運動 ・ 微細運動-適応 ・ 言語 ・ 個人-社会

 

遠城寺式乳幼児分析的発達検査

運動(移動運動 ・ 手の運動)

社会性(基本的習慣 ・ 対人関係)

言語(発語 ・ 言語理解)

 

津守・稲毛式乳幼児精神発達診断

 

 

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防衛機制【臨床心理学】

防衛機制についてまとめます。

 

 

防衛機制とは

危険や困難に直面した場合や受け入れがたい苦痛・状況にさらされた場合に、それによる不安や体験を減弱させるために無意識に作用する心理的なメカニズムのこと。

 

合理化

・自分の態度や行為が避難されないようにするために、言い訳をして正当化すること

・欲求が満たされないとき、その耐え難い感情をかなり強引な理屈づけを行って処理しようとすること

 

例)異性に振られたとき、「あんな奴と付き合わない方が自分のためになる」などと思い込むこと

例)失敗したのは体調が悪くて調子がでなかっただけだと言う

例38-PM56)アルコール依存症の状態にある夫が妻から強く断酒を迫られ、「そんなにガミガミ言うから飲んでしまうんだ」と弁明する

 

否認(否定)

・現実の不快な事柄に目をつぶって認めないこと

・容認したくない感情、経験を実際には存在しなかったかのように振る舞うこと

例)泳ぐのが苦手なのに、自分は泳げると言い張る

例)異性から振られたのに、自分から振ったのだと思い込むこと

例38-PM57)障害を「必ず治る」と言い張る

 

 

投射(投影)

・自分の認めがたい抑圧した感情が、自分のものではなく、他者のものであるとみなすこと

例)自分のことを棚に上げて、相手に責任を転嫁する

例54-AM80)交通事故により下肢を骨折したが、リハビリテーションの回数が少ないことで、治療者に強い不満をぶつけてしまった。その後「先生は私を嫌っている」と考える

例52-AM78)自分自身が受け入れることができない衝動・観念を、他の人が持っているとする

 

 

 

 

昇華

・抑えられた欲求を社会的に受け入れられるものに変えて発散すること

例)欲求不満を、スポーツなどで解消する

例47-PM78)交通事故→パラリンピック出場を目指す

 

補償

・自分の弱点をほかのことで補おうとすること

例)スポーツが苦手だから勉強を頑張る

例39-PM57)体力が弱いために生じる劣等感を、勉強に秀でることによって克服しようとする

 

 

代理

・欲求が何らかの障害によって充足できないとき、類似したほかの目標を達成しようとすること

例)コンサートに行けないのでライブの動画を見る

 

知性化

・強い衝動や葛藤を過度に知的な活動によって覆い隠そうとすること

例)青年期の心の葛藤を哲学に没頭することでかわす

 

抑圧

・実現困難な欲求や苦痛な体験などを抑え込んで無意識に意識から締め出して忘れようとすること

例)親に向けた憎しみの感情が意識されない

例46-AM80)不安を伴う事柄を思い出さないようになる

 

抑制

・不快な出来事を意識的に忘れようとすること。意識すれば思い出す。

例)昔あった嫌なことを忘れようと努力する

 

 

隔離(分離・解離・スプリッティング)

・苦痛を伴う体験をしたとき、それにまつわる感情を記憶から切り離し、事実だけを残すこと。その体験をしているのは「わたしの自我ではない」とみなすのは分離・解離

例)人に叱られたことだけを覚えていてその時の嫌な気持ちを忘れてしまう

 

取り消し(打ち消し)

・過去の罪悪感を、それとは反対の思考や行動によって打ち消そうとすること

例)相手を非難しておいて、その後何もなかったかのように相手に親切にふるまう

 

逃避(回避)

・嫌なことや考えたくないことを、考えないようにすること。苦しい現実から逃げ出すこと

例)試験前に長時間ゲームをしてしまう。病気になって学校を休む

例43-PM56)試験が近づいているにもかかわらず、ゲームにふけっている

 

転換

・不満や葛藤が無意識的に身体症状として現れること

例)ヒステリー、失声

 

反動形成

・抑圧された心理と正反対の態度を示すこと

例)好きな子に対して意地悪をしてしまう

例53-AM79)欲求を満たせないときに、正反対の欲求を発展させ心的平衡を保とうとする

例37-PM56)受け入れがたい本能衝動の意識化を防ぐために、その衝動と反対の態度で接する

例34-PM62)自己の敵意を抑え、逆にへりくだった態度で相手に接する

 

退行

・現在の状態から以前の、より未発達な段階へと戻ってしまうこと

例)赤ちゃん返り

例49-P78)弟や妹が生まれたときに、子どもが指しゃぶりを再び始める

 

置き換え(象徴化)

・ある対象に向けられていた衝動や願望が、自分にとって受け入れられないとき、より受け入れやすい別の対象に向けられること

例)八つ当たり、わら人形

 

 

同一化(同一視)

・他者を自分のなかにあてはめて、それに似せようとすること

・他者と同一化して代理的に満足する

例)憧れのヒーローをまねる

例50-P79)憧れの人の口調や身振りをまねる

例40-56)幼児が「親のようになりたい」と親のまねをする

例37-57)有名人をさも自分が親しくしている人のように言いふらす

 

取り入れ(摂取)

・自分と他者との区別が曖昧なままに、他者の属性を自分のものにしようとすること

例)知らず知らずのうちに親の要求するとおりに行動していた

 

理想化

・対象を「すべてよい」とみなすことにより、そこに悪い面が入り込むのを防ごうとすること

例42-57)一目惚れ

 

防衛機制ではないもの》

・転移

・攻撃

?行動化(45-AM79):患者が治療者に不満を抱き、沈黙を続ける

 

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【消化器疾患】膵臓の疾患【内科学】

膵臓の疾患」についてまとめます。

 

 

 

急性膵炎

膵液により膵臓や周囲の臓器に炎症が及ぶ疾患。

 

 

・50歳代の男性に多い

 

《原因》

アルコール性が最も多い(37%)次に胆石

×細菌感染が原因となる

 

《症状》

・重症急性膵炎の死亡率は約9%  ×重症での死亡率は1%未満である

・消化酵素の活性化(主にトリプシン)→炎症悪化

 

・疼痛(背中・みぞおち)

体幹屈曲位で疼痛軽減 ×伸展で痛みが軽減することが多い

・吐き気、食欲低下

 

《合併症》

×胆石がみられる(慢性膵炎でみられる)

×初期から糖尿病を合併する

×糖尿病を合併することが多い

×膵癌を合併することが多い

 

《所見》

血中・尿アミラーゼ上昇

 

※血中アミラーゼ・リパーゼ高値(発症後数日で正常へ)

 急性膵炎では何らかの原因により、十二指腸へと送られるはずの膵液がうまく送られないことで膵臓自体を自己消化してしまいます。この時にアミラーゼなどの消化酵素は血中へと逸脱し、その結果アミラーゼの上昇を認めます。

 

 

×触診によって腫大した膵臓を触れる(膵浮腫を生じるが触診では分からない)

×尿ケトン体

 

 

慢性膵炎

消化酵素により、膵臓に慢性的な炎症が起こり、細胞が変性・線維化・石灰化が生じる

《原因》

・アルコール

・胆石

 

《症状》

・疼痛(飲酒後・脂肪食後)

・吐き気、食欲不振

 

《合併症》

膵がんのリスクが上がる

・膵石

・糖尿病

 

膵癌

好発年齢:50-80歳 男性にやや多い

好発部位:膵管

予後:不良(早期発見が難しく、発見時には既に進行していることが多い)

 

×若年者に多い腫瘍

×女性に多い

 

《原因》

・家族歴

・喫煙

慢性膵炎

・糖尿病

・肥満

 

《症状》

・なんとなくみぞおちあたりの具合が悪い程度

・腹痛

・黄疸

・体重減少

・食欲不振

 

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【脊髄損傷】損傷レベルとADL・機能【整形外科学】

「脊髄損傷の損傷レベルとADL・機能」についてまとめます。

 

 

 

C4

《残存筋》横隔膜・僧帽筋・胸鎖乳突筋

《運動》肩甲骨挙上・頚部屈伸

《感覚》肩鎖関節上端

《ADL》環境制御装置の利用 音声認識など)

《車椅子》チンコントロール電動車椅子

 

C5

《残存筋》三角筋上腕二頭筋・上腕筋・(腕橈骨筋)

《運動》肩外転挙上、肘屈曲

《感覚》肘窩外側

《ADL》食事(万能カフを用いた食事)

・フォーク付きカフベルト

 

《車椅子》水平ノブ付きハンドリム

《装具》手関節背屈装具・BFO・スプリングバランサー・万能カフ

 

 

C6

《残存筋》長・短橈側手根伸筋

《運動》手背屈

《感覚》母指

《ADL》除圧動作(上体を左右に傾ける)、車椅子の積み下ろしを伴う自動車の利用

《移乗》前方移乗、トランスファーボードを利用した側方移乗

《更衣》更衣(ズボンはベルクロ使用で自立・靴下はソックスエイドで自立)

《車椅子》取り外し式肘当て

《装具》機能的把持スプリント

 

 

・更衣はズボンを除いて可能

 

C7

《残存筋》上腕三頭筋・総指伸筋・小指伸筋・尺側手根伸筋・広背筋

《運動》肘伸展・手指伸展・手掌屈・骨盤挙上

《感覚》中指

《移乗》側方移乗・床から車椅子への移乗(難易度高い)

《ADL》プッシュアップ、車いすキャスター上げ(段差越え可・難易度高い)、包丁の使用、洋式トイレの使用

《寝返り》可

《起き上がり》可

《排尿》自己導尿(叩打・C6で訓練)

《車椅子》標準型車椅子

《装具》短対立装具・指駆動式把持装具

 

C8

《残存筋》浅指屈筋、深指屈筋・尺側手根屈筋・示指伸筋・長母指伸筋・長母指外転筋

《運動》手指屈曲・母指伸展

《感覚》小指

《ADL》橈側-手掌握り

 

 

T1

《残存筋》手内在筋

《運動》指の内外転

《感覚》肘窩内側

 

T6-7

《歩行》松葉杖+骨盤帯+長下肢装具(動作的大振り歩行・機能的小振り歩行)

 

大振り歩行:両松葉杖を同時に前方に出す→両脚を同時に松葉杖よりも前方に振り出す

小振り歩行:両松葉杖を同時に前方に出す→両脚を同時に松葉杖よりも手前に振り出す

T10

 

《感覚》臍

《車椅子》低いバックレスト

T12

 

《感覚》鼠経靭帯の中点

《ADL》松葉杖+長下肢装具での歩行

 

・実用歩行

 

 

L2

《感覚》大腿前面中央

《歩行》松葉杖+長下肢装具(機能的四点歩行)

 

L3

《感覚》膝蓋骨

《歩行》松葉杖+短下肢装具

 

L4

《感覚》内果

《歩行》短下肢装具(+1本杖)

L5

《感覚》第3指MP関節背側

《歩行》自立

S1

《感覚》踵外側

 

 

 

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【脊髄損傷】評価(Frankel・ASIA・Zancolli)【整形外科学】

「脊髄損傷の評価」についてまとめます。

 

 

 

Frankel尺度

・神経学的症状による評価法

 

A 運動・知覚喪失:損傷部以下の運動・知覚機能が失われている

B 運動喪失知覚残存:損傷部以下の運動機能は失われているが、仙髄支配域などに知覚が残存

C 運動残存(非実用的):損傷部以下にわずかな随意運動機能が残存しているが、実用的な運動は不能

D 運動残存(実用的) :損傷部以下にかなりの随意運動機能が残存しており、下肢を動かす、歩行などが可能

E 回復:運動・知覚麻痺・膀胱直腸障害などの神経学的症状を認めない。深部腱反射の亢進のみが残存している場合あり

 

 

ASIAの機能障害尺度

・Frankel尺度を改変したもの 

・完全損傷と不完全損傷の段階について明確に

・感覚障害は3段階で規定(0:消失、1:鈍麻、2:正常) ※NT:not testable

・肛門括約筋収縮の有無が規定されている(S4-5領域の運動機能評価)

・評価は背臥位で行う

 

 

×関節可動域制限

×深部腱反射を用いる

×包括的な神経学的評価である

 

 

A 完全:S4~5髄節の運動・感覚機能の欠如

B 不完全:運動機能の欠如感覚機能は神経学的レベルからS4~5髄節にかけて残存

C 不完全:運動機能は神経学的レベル以下で残存標的筋群の大多数はMMT3未満

D 不完全:運動機能は神経学的レベル以下で残存。標的筋群の大多数はMMT3以上

E 正常:運動・感覚機能障害は完全に回復反射の異常はあってもよい

 

 

《key muscles》

C5:肘屈筋 (上腕二頭筋

C6:手背屈筋 (長・短橈側手根伸筋)

C7:肘伸筋 (上腕三頭筋

C8:第3指DIP屈筋 (中指深指屈筋)

T1:小指外転筋

 

L2:股屈筋 (腸腰筋

L3:膝伸筋 (大腿四頭筋

L4:足背屈筋 (前脛骨筋)

L5:長母趾伸筋 

S1:足底屈筋  (腓腹筋

 

《Key Sensory Points》

C3:鎖骨上窩

 

C5:肘窩外側

C6:母指

 

T4:乳頭(第4肋間)

T6:剣状突起

T7:第7肋間部

 

T10:

T12:鼠経靭帯の中点

L3:膝蓋部・大腿骨内側上顆

S2:膝窩

S4:肛門周囲

 

 

Zancolli

 

 

 

 

 

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【脊髄損傷】不完全損傷の特殊型(中心性脊髄損傷・ブランセカール症候群・前部脊髄損傷・後部脊髄損傷)【整形外科学】

「不完全損傷の特殊型」についてまとめます。

 

 

 

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中心性脊髄損傷

・脊髄は中心部(灰白質)の強度が弱く、周辺部より障害されやすい

・受傷機転:頸椎の過伸展

・骨傷を認めないことが多い

・高齢者に多い

 

《症状》

上肢優位の運動麻痺(感覚麻痺は軽度)

 

×肛門括約筋の収縮が障害されることが多い

 

脊髄半側障害(ブラウン-セカール症候群)

《原因》

・髄外腫瘍

椎間板ヘルニア初期像

※外傷は認め難い

 

《症状》

・障害側の痙性麻痺

・障害側の損傷レベル以下の深部覚脱失

・障害側の損傷レベルの全知覚脱出と弛緩性麻痺

・反対側の損傷レベル以下の温痛覚脱失

 

前部脊髄損傷

《原因》

・頚椎前部の圧迫や外傷

・前脊髄動脈の閉塞

後縦靭帯骨化症

 

《症状》

・障害レベルの弛緩性麻痺

・障害レベル以下の痙性麻痺(下肢)

・障害レベル以下の温痛覚脱失

 

※深部感覚・(触覚?)は正常

 

後部脊髄損傷 

側索損傷を伴うことも多い

《原因》

・脊髄癆

※脊髄癆:梅毒に起因して、脊髄の後索が障害される疾患 

 

 《症状》

・触覚や深部感覚の脱失

・ロンベルグ徴候+

 

※温痛覚は正常

 

 

 

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【脊髄損傷】合併症【整形外科学】

「脊髄損傷の合併症」についてまとめます。

 

 

 

呼吸障害

・肺活量の低下(横隔膜・肋間筋筋力低下)

・1回換気量の低下

・予備呼気量の低下

・残気量の増加

・拘束性換気障害

 

 

起立性低血圧

T5、6損傷以上で出現しやすい

《原因》

血圧調節機構が障害されており、腹部・下肢への血液貯留により起こる

 

・内臓神経(T5-12)の障害:腹腔内臓の血管運動障害

・下肢の運動麻痺による筋ポンプ作用障害

・圧受容器反射の低下

 

《対応》

腹帯、下肢への弾性包帯、立位練習など

 

自律神経過緊張反射

T5、6損傷以上(内臓神経が障害される)

・損傷レベルより上の発汗、下は鳥肌

《原因》

膀胱の充満や拡張:排尿が上手くいかず、膀胱に尿が充満している

宿便:ひどい便秘が起こっている、お腹が張っている

感染:尿路からの感染による膀胱の感染や肛門・痔からの感染

褥瘡(じょくそう):床ずれ

骨折や打撲

皮膚への刺激:切り傷、皮膚の感染症、擦り傷

やけど:熱湯や日焼けによるやけど

きつい、締め付けが強い衣服

陥入爪(かんにゅうそう):爪が皮膚に食い込むことで炎症や感染を起こします

性行為 

 

《対応》

正しい排尿・排便コントロールが重要

×下肢挙上(血圧降下時の対応)

 

 

《原因》

×起立負荷で生じる

 

《症状》

頭痛

血圧上昇(高血圧)  ×血圧低下(低血圧)

・発汗  ×発汗抑制

・徐脈  ×頻脈

・動悸 

・呼吸困難

・瞳孔散大

・鼻閉

顔面紅潮 

 

×低血糖

 

排尿障害

脊髄排尿中枢:S2-4

排尿筋括約筋協調不全 

 

《核上型神経因性膀胱(反射膀胱・自動膀胱)》

・膀胱容積:減少

・残尿:少量

・膀胱内圧:上昇

・排尿反射:あり

 →下腹部の叩打やトリガーポイントを利用した排尿訓練

 

《核型神経因性膀胱(自律膀胱・無緊張膀胱・弛緩膀胱)》

・膀胱容積:過伸展(600-1000ml以上)

・残尿:多い(または排尿不能

・膀胱内圧:低下

・排尿反射:なし

→下腹部に圧迫を加え排尿する

→導尿が必要となるが、尿道カテーテル長期留置は、尿路感染症を生じるため望ましくない

 

《核下型神経因性膀胱(自律膀胱・無緊張膀胱・弛緩膀胱)》

・膀胱容積:過伸展(600-1000ml以上)

・残尿:多い(または排尿不能

・膀胱内圧:低下

・排尿反射:なし

 

 

褥瘡

《原因》

・感覚麻痺により圧迫や湿潤、摩擦、不潔といった皮膚の違和感を感知できないことによる

・交感神経系の麻痺によって局所の阻血、栄養障害を生じる

 

《好発部位》

仙骨

・大転子

・踵部

・腓骨(外果、小頭)

・肩甲骨

 

《予防》

・2時間ごとの体位変換

・マット、クッション

 

骨萎縮

・脊髄損傷後2か月~1年

・合併症:尿路結石(骨代謝における尿中へのカルシウム成分排泄量の増加)

 

異所性骨化

損傷部位より下位の軟部組織に塊状の骨が形成される現象

初期には局所の熱感を生じる、関節周囲に熱感が生じる

・受傷後2か月~1年  ×受傷後1ヵ月以内

・血清アルカリフォスファターゼ(ALP):上昇

×血清カルシウム上昇

・関節拘縮の原因となる

 

《好発部位》:大関

股関節

膝関節

→他動運動(強制的な他動運動はNG)

×発生すれば関節可動域運動を中止する

 

×肘関節

×手関節

×仙腸関節

×足関節

×脊柱

×足指関節

 

《対応》

×電気刺激

 

関節拘縮・変形

《C4》

肩甲骨挙上位

 ADL:肺活量減少

《C5》

・肩甲骨挙上位

肩関節外転位

・肘関節屈曲位

・前腕回外位

ADL:整容動作・更衣が部分解除(全介助)

 

《C6》

・肩関節外転、外旋位

肘関節屈曲位

・前腕回外位

手関節背屈位

 

 

《C7》

MP伸展位

・IP屈曲位

 

 

 

 《合併症》

深部静脈血栓症

・呼吸障害

骨粗鬆症

・下肢の浮腫

・異所性骨化

・核、核下障害型膀胱

・消化性潰瘍

・褥瘡

・拘縮

 

 

 

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