「高次脳機能障害」についてまとめます。
高次脳機能障害とは
脳血管障害や頭部外傷により、脳の一部が損傷することによって、思考・記憶・学習・注意・言語など「脳の知的活動」に障害が生じること。
《中核症状》
・失行 ・失認 ・失語症
《その他》
・注意障害
・記憶障害
・感情、行動の障害 など
※強制把握(前頭葉)
※他人の手徴候(頭頂葉)
失行
運動障害がなく、行うべき動作や行為が充分に分かっているにも関わらず、指示された運動ができない状態。
・観念失行
複合的な運動の障害。日常使用する物品が正しく使用できない。
例:タバコに火をつける。お茶を入れるなど手順が不可
例:消しゴムを字を消すものと認めつつ、口へ持っていく
例:杖を持つときに上下を逆さまにして使おうとする
例:くしを歯ブラシのように使おうとしたり、スプーンの柄に食物を乗せようとする
損傷部位:左半球・頭頂葉
・観念運動失行
単純な動作を指示すると運動ができない
例:ジャンケン・キツネのまね(指示がなければ可)
例:指示による敬礼のまねができない
例:麻痺がないのに指で模倣ができない
例:「おいでおいで」の動作をしてもらう
例:歯ブラシを持ったつもりで歯を磨くまねをしてもらう
例※:金槌で釘を打ってもらう (単品の道具・1つの工程)
・着衣失行
衣類と身体の関係がつけられず、衣服が着れない
例)上着の左右を間違えて袖を通す
例)シャツの袖をうまく通せない
障害部位:右半球、頭頂葉後部
・拮抗失行
右手の行動に対して、左手が不随意に目的と反対の行動や無関係の動作をとる
例:右手がドアを開けようとすると左手がドアを閉めてします
例:右手がボタンを留めようとすると左手が外そうとする
障害部位:脳梁
・構成失行
図の模写、積み木の組合せ(模倣)の障害
・肢節運動失行
主に手の運動が拙劣になる。運動野の障害
例:手指屈曲・目を閉じる・舌の出入
・歩行失行
障害部位:前頭葉内側面
・運動維持困難
例:閉眼と挺舌の動作を同時にできない ※挺舌:舌を前に突き出すこと
例:指示による閉眼維持が困難である
損傷部位:右前頭葉
《右半球》
・着衣失行
《左半球》
・観念失行
・観念運動失行
《どちらでも》
・肢節運動失行
・構成失行
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