「頭部外傷」についてまとめます。
頭部外傷とは
頭部に外力が加わって障害した状態の総称。
《症状》
・頭痛
・嘔吐
・意識障害
・認知障害
・情緒不安定
・抑うつ
・適応障害
・てんかん
急性硬膜下血腫
硬膜下(硬膜と脳の間)に血腫ができる状態
《原因》
・頭を強く打つこと(交通事故・転落)※高齢者では軽い打撲
《症状》
・強い頭痛
・意識障害
・片麻痺
・頭蓋内圧亢進症状
《所見》
・頭部CT:三日月型
急性硬膜外血腫
※広い意味では脳出血の一種
《原因》
・交通事故、転落
・頭蓋骨骨折により、硬膜に栄養供給する動脈や静脈洞が破れてなることが多い
《症状》
・急性硬膜下血腫と同様
《所見》
・頭部CT:凸レンズ型
脳挫傷
頭部への衝撃により、脳に損傷が生じる状態
※挫傷とは:(皮膚の表面に傷がなく)深部に損傷があるもの
《好発部位》
・受傷部位の対側の前頭葉底面
・受傷部位の対側の側頭葉前部(側頭極)
《症状》
・頭痛、嘔吐
・片麻痺
・意識障害
・脳ヘルニア
《所見》
・頭部CT:点状出血
脳震盪
頭部への衝撃により脳が大きく揺さぶられ、一時的に起こる脳の機能障害。
《症状》
・意識障害 ※数分から数時間で良くなることが多い
・頭痛、嘔吐 ※10日以内に良くなることが多い
・記憶力低下
・気分変動
びまん性軸索損傷
頭部に回転力が生じ、脳が捻れるように動いて、軸索が引っ張られ、損傷する。
※脳深部は脳表面よりも遅れて回転する
《症状》
・意識障害 ※6時間以上
・片麻痺
※時間と共に回復するが、後遺症が残ることが多い
《好発部位》
・大脳皮質
・脳梁
・脳幹部
《所見》
・頭部CT:意識障害を呈しているのに異常は見当たらない
慢性硬膜下血腫
軽い頭部外傷による、くも膜と硬膜の間の微量出血。
《原因》
・アルコール多飲者
・高齢者
※アルコール多飲者は脳が萎縮し、脳のスペースが大きく血液が溜まりやすい
《症状》
・軽い頭痛
・認知障害
・片麻痺
《所見》
・頭部CT:急性硬膜下血腫と同様
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