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統合失調症【精神医学】

統合失調症についてまとめます。

 

 

 

統合失調症とは

思考・知覚・感情・行動などに特徴的な症状をきたす精神疾患

 

 

概要

・内因性精神障害(遺伝・何らかの身体関与)

《成因》

・遺伝素因

ドパミン仮説

・神経発達障害仮説

脆弱性-ストレスモデル

×アミロイド仮説(アルツハイマー認知症

 

 

・発症年齢:思春期~中年(多くは30歳まで)

病前性格:分裂気質・内向的・細長型

・生涯有病率:0.8%

性差:なし

・患者の子は発病率高い

先進国で発病率高い

・社会経済地位の低い階層で発病率が高い

・冬季出生者に多い

・発病時期:男性で早い

・死亡率:健常者と比べ高い

・我が国では精神科入院患者に占める割合が最も多い

 

予後不良因子》

・男性

・若年での発症

・緩徐、潜在性の発病

・強い陰性症状

・神経学的症状

統合失調症の家族歴

×急性の発症(予後良好)

×明らかな発症誘因の存在(予後良好)

×発症から治療開始までの期間が短い(予後良好)

×病前の性格が社交的

×緊張病症状を示す(予後良好)

 

前駆期

・1年以上の前駆症状を認める(約70%)

・落ち着きがない、不安、緊張、作業能率の低下、引きこもり、注意、集中力低下、不眠、倦怠感、食欲不振、離人感、頭痛、肩こり、聴覚過敏

 

聴覚過敏

×奇異な妄想(急性期)

×滅裂な思考

×感情の平板化(消耗器:急性期の反動)

×緊張病症候群

×幻聴(増悪期)

 

《慢性期》

・軽度の認知機能障害

 

症状

・知覚

・感情

・意欲

・思考

 

×意識

×夜間の意識変容(認知症など)

×もうろう状態

×昏睡  ※昏迷はある

×知能

×情動失禁(脳血管障害)

・幻声

・思考奪取

・解体した会話

・非影響体験

・持続的な支配観念

・過敏な聴覚

・両価的な感情

×循環性の経過

・意欲低下

・自分の殻に閉じこもる

 

《陽性症状》

・幻覚(幻聴が多く、幻視は少ない。奇怪な内容が多い)

・妄想

・考想化声(思考化声)

・思考障害

・緊張病症状

薬物療法の適応

 

陰性症状》正常で見られるはずのものの欠如

・無為(何もしないでぶらぶらしていること)

・自閉

・感情鈍麻

➡環境療法の適応

 

 

治療

薬物療法(急性期)

・精神療法(慢性期)

・環境調整(維持期)

・生活指導(回復期以降)

・心理教育(回復期以降)

 

・家族心理教育 (家族の感情表出(高EE)が高いほど再発率が高い)

×絵画療法

×急性期の治療で症状が軽快した場合は速やかに薬物治療を中止する

生活技能訓練

 

薬物療法

ハロペリドール

 

・1日の服薬回数が少ないと服薬遵守を得やすい

・陽性症状に適応

×非定型抗精神病薬には錐体外路系副作用がない

×数種類の薬剤を少量ずつ投与すると副作用が少ない

×症状が改善したら薬物療法を終了する

 

薬物療法により改善しやすい症状》

・他人の声が自分に呼びかけてくる(幻聴:陽性症状

×1日中何もしない(活動性低下:陰性症状

×喜怒哀楽を表さない(感情の平板化:陰性症状

×自分の殻に閉じこもる(自閉:陰性症状

×身だしなみを気にしない(正常の精神活動の減弱:陰性症状

 

 

 

思考の障害

 

思考滅裂(滅裂思考)

考え、会話に統一性や関連性がない状態

解体した会話

(連合弛緩)

 

思考途絶

思考の進行が突然遮断され、会話が停止する

 

思考奪取

「自分の考えを抜き取られる」と感じるもの。

させられ思考の一種

 

・支配観念

例:突然子供を亡くし、その悲しい思い出が頭を離れず、それ以外のことが考えられない状態

 

・作為体験

自分の思考や行為が他者にさせられていると感じる体験

例:「他人からあやつり人形のように動かされる」と訴える

 

 

離人症

自分が自分でないような感覚が生じる(自我の障害)

例:「自分がやっていることなのに、自分がやっている感じがしない」と訴える

 

・思考吹入

 

・自生思考

 

・考想化声

 

・思考伝幡

「考えが伝わっている」と感じるもの

 

・被害妄想

 

・被毒妄想

誰かに毒を盛られた

 

・関係妄想

自分のことを噂している

 

・誇大妄想

 

・注察妄想

誰かに見られている

 

妄想知覚

正常な知覚があるのに、それに対して理解不能な特別な意味付けがなされ、強く確信するもの

例:「すれ違った人が咳払いをした。これは自分への嫌がらせである」と訴える

例:黒い犬を見て「不吉なことが起こるに違いない」と訴える

 

妄想気分

例:「不気味な何かが起こりそうだ」と不安緊迫感を訴える

例:「世界が破滅する」といった世界没落体験のかたちをとって現れる

例:「周囲の雰囲気が不気味に感じられる」と訴える

例:「自分の周辺でただならぬ事件が起こっている気配がして不気味だ」と訴える

 

妄想着想

何の原因も動機もなく、突然に考えが浮かび、確信する

例:突然「自分は全能の神である」と確信する

 

体感幻覚

例:「脳が溶けてしまった。脳がからっぽだ」

 

 

×思考制止(うつ病

×迂遠(知的障害・てんかん

×思考散乱(アメンチア)

×観念奔逸(躁病)

×誇大妄想(躁病)

・作為体験

誰かに操られている

 

・電波体験

電波をかけられている

 

破瓜型

・発病:16~20歳(思春期)

・慢性な経過で予後不良

・意欲の低下

 

緊張型

・発病:20~25歳

・急激に発症

・予後:破瓜型より良好 再発傾向あり

 

《症状》

・精神運動症状:興奮と昏迷

 

カタレプシー(一定の姿勢を長時間保持し、自分の意思で変えようとしない状態)

・常同症

・拒絶症

 

妄想型

・発病:30~35歳

・予後:多彩

 

×児童期に妄想型統合失調症が発症することはない

 

《症状》

・幻覚と妄想が主症状

・情意面

 

 

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