記憶【臨床心理学】
「記憶」についてまとめます。
《臨床神経学での記憶》
・即時記憶:秒単位
・近時記憶:数時間~数日 再生には意識する必要がある
・遠隔記憶:数年間
記憶機能・障害
・Papez回路、Yakovlev回路(前頭葉底面・側頭葉底面)
・側頭葉:言語記憶
・海馬:短期記憶(陳述記憶) ×扁桃体:感情・食欲・性欲
・加齢(成人期後期)
・小脳(記憶に基づく運動の修飾)
・器質性精神障害(アルツハイマー型認知症・脳血管障害・頭部外傷など)
・健忘:特に宣言的記憶の障害された状態
・時間の見当識が障害されやすい(人物よりも)
・エピソード記憶の低下が早期(次に意味記憶、手続き記憶は比較的長期間残る)
《脳血管性認知症》
・短期記憶障害
記憶障害の評価
・RBMT(Rivermead Behavioural Memory Test)
・HDS-R
・RAVLT
・MMSE
×RCPM:知能検査
×CMI:
×内田・クレペリンテスト
記憶過程の要素
・記銘(符号化):情報を憶えこむこと
・保持(貯蔵):情報を保存しておくこと
・想起(検索):情報を思い出すこと
「再生:以前の経験を再現する」
「再認:以前に経験したことと同じ経験であると確認できる」
「再構成:以前の経験をその要素を組合せて再現する」
※()内は情報科学的視点での呼ばれ方
×計画立案:遂行機能の要素
×転換:注意の切り替え
×配分:注意をどこに向けていくのかの配分
感覚記憶
数秒間の極めて短時間の記憶
短期記憶
20秒程度の短い間だけ保持される記憶
長期記憶
比較的長い間保持される記憶
宣言的記憶(陳述記憶)
内容を言葉で表せる
・エピソード記憶:出来事・体験
・意味記憶:知識(社会常識・地名・言語など)
《意味記憶の例》
・古典の授業で暗記した和歌を10年後も覚えている
・「日本の首都は東京である」という記憶
非宣言的記憶
想起が意識化されない・意識することなく再生
・手続き記憶:身体で覚えている記憶・技能
・反復訓練によって獲得される
×普遍的な概念に関連する
×内容は常に意識化される
×非言語的な表象として想起される
・プライミング:先行刺激が後続刺激の処理に影響を与える
・潜在記憶の一つ
×学習によって習熟する
×健忘症候群では障害される
《手続き記憶の例》
・患者が正しい運動パターンを反復練習しているとき
×患者に理想とする運動パターンを言葉で教示しているとき
×患者に運動課題を提示しつつ説明しているとき
×患者が運動を試行錯誤しているとき
×患者が実際の生活環境で実践しているとき
・自転車の乗り方などの熟練に関連する記憶
・箸の使い方などの熟練に関連する記憶
《プライミング》
作業記憶(ワーキングメモリー)
短期的な情報の保存だけでなく、認知的な情報処理に関する記憶
・情報の処理と保持を同時に行う
・短期記憶の一種 ×数日間保持される
自伝的記憶
自分の人生に関する記憶
エピソード記憶の一種
展望的記憶
予定など将来の行動に関する記憶
例)「30分後にベルが鳴ったら訓練を終了してください」という課題を遂行する際に活用する記憶
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