【循環器疾患】虚血性心疾患(心筋梗塞)【内科学】
「虚血性心疾患(心筋梗塞)」についてまとめます。
心筋梗塞とは
虚血性心疾患の一つ。心臓の筋肉細胞に酸素や栄養を供給している冠動脈に閉塞や狭窄などが起きて血液の流量が下がり、心筋が虚血状態になり壊死してしまった状態。
いわゆる、心臓麻痺・心臓発作のこと
急性心筋梗塞が発症した場合、迅速に治療しないと死に至る恐れがあります。(致死率約20~30%)
検査所見
心筋逸脱酵素
CK(CPK)クレアチンホスホキナーゼ:上昇(1日目ピーク):筋肉の障害。大きいほど多くの心筋が壊死したことを意味する
GOT(AST)グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ:上昇(1~2日目ピーク):肝臓や骨格筋・心筋の障害
LDH(乳酸逸脱酵素):上昇(3日目ピーク):肝臓や骨格筋・心筋の障害
CRP:上昇(2週間目ピーク):
トロポニンT:上昇
トロポニンI:上昇
白血球数:増加
冠動脈造影検査
合併症
・心不全
・肩手症候群
・僧帽弁逆流
・心室中隔穿孔
・心原性ショック
治療(再灌流療法)
・血栓溶解療法(線維素溶解療法):血栓溶解薬を使って再開通する(経静脈的血栓溶解法・経皮的冠動脈内血栓溶解療法)
・経皮的冠動脈形成術(PCI):カテーテルを入れバルーンとステントにより再開通する
・冠動脈バイパス手術:冠動脈の詰まった箇所を迂回し、新たな経路(バイパス)を繋ぐ
術後リハビリ(心臓リハビリテーション)
段階的に安静度を下げていく
・Borgスケール=12-13程度の軽度な有酸素運動が推奨
・収縮期血圧が指標(拡張期ではない)
・運動強度:最大心拍数×60~70
・等尺性収縮×
※予測最大心拍数=220ー年齢
《ステージ進行基準》
・自覚症状がないこと(胸痛・呼吸困難・動悸など)
・心拍数が120/min以上にならないまたは安静時より40/min以上増加しない
・危険な不整脈が出現しない
・1mm以上のST低下または2mm以上のST上昇がない
・室内便器使用時までは20mmHg以上の収縮期血圧上昇がない
歩行負荷以降は30mmHg以上の上昇がない
×SpO2
《リハビリの効果》
・運動中の呼吸数の減少(1回換気量増大による呼吸機能向上)
・最高酸素摂取量の上昇とATの上昇
・最大心拍数の減少と運動中心拍数反応の減少
・骨格筋の増大、筋力増強
・血圧調整の適正化
・1回拍出量の増加※
・運動能力の向上
・血中カテコールアミン濃度減少
×梗塞範囲の減少
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