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【第54回理学療法士国家試験】第77問:肺気量【解説】

問:肺気量で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

1.1秒率=1秒量÷%肺活量

2.機能的残気量=予備吸気量+残気量

3.最大吸気量=1回換気量+予備吸気量

4.残気量=全肺気量ー肺活量

5.肺活量=予備吸気量+予備呼気量

  

出典:厚生労働省HP 第54回理学療法士国家試験問題
午前問題PDF

 

解説

まず、肺気量(肺中の空気の量)の構成を

図(肺気量分画:スパイログラム)に示します。↓

f:id:kigyou-pt:20191201202004p:plain

出典:自作

 

肺気量は、4つの基本量(Volume)

基本量の組み合わせからなる4つの基本容量(Capacity)で表されています。

まずは、4つの【 V:Volume 】を見ていきましょう↓

一回換気量(TV:Tidal Volume)

安静にして普通に呼吸をした時の吸気と呼気の量:500ml

 

 

 予備吸気量(IRV:Inspiratory Reserve Volume)

安静吸気位からさらに吸い込むことができる量:2,000ml~3,000ml

 

 

予備呼気量(ERV:Expiratory Reserve Volume)

安静呼気位からさらに吐き出すことができる量:1,000~1,500ml

 

 

残気量(RV:Residual Volume)

最大限まで呼気をしても肺に残っている空気量:1,000~1,500ml

 

 

次に4つの【 C:Capacity 】を見ていきます。↓

最大吸気量(IC:Inspiratory Capacity)

安静呼気位から最大限吸気をした時の量:2,000~2,500ml

 

 

機能的残気量(FRC:Functional Residual Capacity)

安静呼気位における肺内の空気の残量:1,000ml

 

 

肺活量(VC:Vital CapacityまたはFVC:Forced VC)

最大吸気の後、最大呼気をした時の量:3,500~4,500ml

 

 

全肺容量(TLC:Total Lung Capacity)

肺全体の容量:4,500~5,500ml

 

 

最後に「1秒量・1秒率・%肺活量」についてです。

1秒量:努力性肺活量のうちの最初の1秒間に吐き出された空気量

1秒率:努力性肺活量に対する1秒量の比率

※努力性肺活量:胸いっぱいに息を吸い込み、一気に出した空気の量

 %肺活量:年齢や性別から算出された予測肺活量に対しての、実測肺活量の比率

 

つまり、

1秒率=1秒量÷努力性肺活量×100

%肺活量=努力性肺活量÷予測肺活量×100

 

 

以上から選択肢を正しく直すと・・・

1.1秒率=1秒量÷%肺活量 → 1秒量÷努力性肺活量×100

2.機能的残気量=予備吸気量+残気量 → 予備呼気量+残気量

3.最大吸気量=1回換気量+予備吸気量 → 正

4.残気量=全肺気量ー肺活量 → 正

5.肺活量=予備吸気量+予備呼気量 → 予備吸気量+予備呼気量+1回換気量

 

よって、答えは3.4になります。

上述した図さえ、自分で書くことができれば回答できる問題です。

呼吸生理の基本なので、しっかりと頭に入れておきましょう。